

大阪・関西万博2025には、世界各国・地域、そして様々な企業や団体が趣向を凝らしたパビリオンを出展しています。その中でも、今回の万博のテーマを深く理解し、来場者に感動と示唆を与えてくれる穴場的な存在が、西ゲートゾーン(W02)に位置する「TECH WORLD」、実質的な台湾パビリオンです。私は4月の初回訪問時に、たまたま列が短く予約なしでふらりと立ち寄ったのですが、その内容があまりに素晴らしく感動しました。今回は、この強くおすすめしたいパビリオン「TECH WORLD」の魅力をお伝えします。

【台湾の「心の山」に抱かれる情熱】
「TECH WORLD」の建築コンセプトは、台湾の雄大な山々からインスピレーションを得た「心の山」。リサイクル可能な金属素材で覆われたその外観は、力強くも優しい山のよう。

博覧会国際事務局(BIE)の加盟国ではないため、「台湾」名義での参加が叶わないという制約がある中で、民間企業である玉山デジタルテック株式会社の名義で出展し、これほどまでに壮大で質の高いパビリオンを用意してくれた台湾の皆さんの情熱と、日本で開催される万博への協力姿勢がひしひしと伝わってきて、それだけでも胸を打たれました。2,129平方メートルもの広大な敷地を持つこのパビリオンは、その規模からも台湾がこの万博にかける意気込みが感じられます。

【テクノロジーが紡ぐ、「いのち輝く未来社会」へのメッセージ】
「TECH WORLD」ではスマートブレスレットを装着してまわることになります。

このブレスレットをつけながら体験することで、来場者の心拍数をリアルタイムで記録。心が動いた瞬間をもとに「ピッタリの台湾旅行スポット」をオススメしてくれるというから驚きです!

TECH WORLD」は「世界をつなぎ、より良い未来の暮らしへ」がコンセプト。中では、万博のテーマ「生命」「未来」「自然」を、最新技術を使った展示で体験できます。

まず足を踏み入れたのは「生命劇場」。
ここでは、プロジェクションマッピングやスクリーン、光と影を組み合わせた迫力ある演出が行われ、いのちの力強さを感じられます。

デジタルチョウチョに手を近づけると反応します!

続く「自然劇場」では、高画質4Kレーザープロジェクターを使い、アーチ型の大きな壁いっぱいに投影し、圧倒的なスケールで迫ってきます。
シームレスでハイコントラストなその映像は、まるで自分がその場にいるかのような臨場感と、自然の息吹に対する深い感動を与えてくれました。

その後の「ランの道」。本物の花と透明マイクロLEDディスプレイが組み合わされたこの展示は、技術と自然が織りなす幻想的な美しさ。

そして、私が最も印象に残った展示は動く絵。「都市の絵巻」と名付けられたAIギャラリーで、8K技術を使った世界最高峰のアートディスプレイ。

こちらで展示されていた動く絵たちは有名画家の作品をAIに学習させたもので、学習内容をもとに、過去の実際の作品と、現代の台湾での都市生活を融合させた映像を生成しているのだとか。
最初は普通の絵画作品だと思っていたら、時間とともにゆっくりと変化し驚きました。

そして「未来シアター」。ここでは、幅13m、高さ2.4mという巨大スクリーンが登場!ダイナミックなインタラクティブセンサーと立体映像技術による「体感する未来」が待っています。

技術の進化が私たちの生活をどのように変えていくのか、期待と共存の可能性を感じさせてくれる空間です。

儚い命の輝きと、これから私たちが築く未来について、静かに深く考えさせられる時間でした。

最後にお土産までプレゼントされ、至れり尽くせりでした。サービス満点のパビリオンに大満足です!
【台湾の「美味しい」も満喫】

パビリオンの見学を通して感動に浸った後は、パビリオン内の物販・飲食エリア「神農生活」へ。

ここでは、台湾の選りすぐりの商品が並び、美味しいルーローハンも購入することができます。

パビリオンを見学しない場合でも、このエリアだけの利用も可能なので、気軽に立ち寄れるのも嬉しいポイントです。

神農生活ルーローハン1,650円。

前回、夕方以降は売切れていたのでお昼に再チャレンジで購入することができました!

私は購入したルーローハンを、外の大屋根リングの下でいただきました。

万博会場の雰囲気を感じながらいただく本場の味は格別でした。

ルーローハンを食べて勢いづいた私は、メニューを再チェック!

ロールケーキもありますが、残念ながら台湾名物の胡椒餅は見当たりませんでした。

食後は出口にある返却口に食器を置いて、ご馳走様でした!
【大阪・関西万博「TECH WORLD」パビリオン 基本情報】
住所 | 大阪府大阪市此花区夢洲中1丁目 |
エリア | 西ゲートゾーンW02 |
【地図】
【まとめ】
「TECH WORLD」は、単に台湾の技術力を紹介するだけでなく、今回の万博のテーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」を、台湾独自の視点と最先端のテクノロジーで表現した素晴らしいパビリオンです。台湾が置かれた特別な状況の中で、最大限の協力と情熱をもって作り上げられたこの空間は、訪れる人々に感動と、未来への希望を与えてくれるはずです。会期中に万博を訪れる際には、ぜひ「TECH WORLD」に立ち寄ってみてください。予約状況によっては並ぶ可能性もありますが、それでも訪れる価値のある、強くおすすめしたいパビリオンです。