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京都茶懐石 未在の予約方法や服装、料理内容、石原氏について

未在|京都円山公園
未在の食前酒、梅酒
おでかけぶろぐ管理人lago
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吉兆の総料理長だった石原仁司(いしはら ひとし)氏による茶懐石で、食べログでも日本料理で全国1位を獲得する他、ミシュランでも最高の三つ星獲得店。 京都祇園、八坂神社でも知られる名勝 円山公園にあり、日本料理の最高峰として名高く、予約が取れない店とされています。では、どのように予約して行くのか。服装や作法、料理内容、石原仁司氏についてなど、私が実際に食事し体験したことなど具体的にご紹介していきます。これから未在に足を運ばれる方にとって少しでもお役に立てれば幸いです。

未在

【未在について】

未在さんの店名由来は「未だ此処に在らず」で、禅語で〝限りがない〟という意味を持ち、修業には限りはないことから店名を「未在」とされました。孔子の論語に、「これを知る者はこれを好む者に如かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如かず。」とあります。優れた知識を持っている人も、どんな熟練した能力を持っている人も、そのことが大好きだという人には適わない。ただ、そのことが大好きだという人も、それを楽しんでいる人には適わないという意味です。石原氏は仕事を楽しむことにより無限に追求し続けられているんだと私は感じました。

未在

【石原仁司氏について】

食事中、石原氏ご本人から直接色々お話をお聞かせいただきましたので一部ご紹介いたします。1952年、島根県生まれ。小さいころは美術家を夢みておられたようですが、作品は亡くなってから評価されることが多いので食べていけない可能性がある、生きているうちに自分の力を試したいと思い15歳の時に吉兆の門を叩かれました。大阪高麗橋吉兆本店で修行を始められ、自分自身が食べることが大好きな石原氏は料理の研究に没頭されました。また、京都龍安寺大珠院の住職で禅界の第一人者である故盛永宗興老師より知見を授かり禅についても学ばれました。その後、歴代最年少となる27歳で京都吉兆本店の料理長に就任。総料理長として吉兆で31年勤務された後、長崎雲仙の高級旅館である旅亭半水盧から招聘され、料理長を経て2004年6月に独立し京都東山の円山公園に未在を開かれた方です。

未在の外観

【御料理代・予約方法・キャンセル・子供同伴について】

御料理代は税込50,000円(※変更がありますので、ご確認下さい)。予約は1年前よりとされています。予約された方には約1週間前に連絡が入ります。(キャンセル料は7日前は50%、4日前は100%)。予約はぎっしりと埋まっている為、通常8ケ月から1年以上待つことになります。

ただ、いつでもすぐ行ける準備ができるのであればキャンセル待ちをすることもできます。(この場合は2日ぐらい前に急に連絡が入りますので、了承してから行けなくなった場合はキャンセル料が発生しますのでご注意下さい。)

子供の同伴については、中学生以上から可能とされています。

未在のある京都の名勝 円山公園

【当日の服装・客層について】

客層ですが上品な方ばかりで和服の方や洋服でもスーツにネクタイ又はジャケットを着た方が多いです。特に女性は「きもの」を着て来られている方もおり、石原氏も喜ばれていました。

Tシャツにデニムの方はいらっしゃらなかったので、ジャケットを着てきてよかったと胸をなでおろしました。

周りには海外旅行をキャンセルしてまで来た方や、飲食店を経営している方や役員クラスの方ばかりで、私のような一般庶民は場違いのような気がしましたが、美味しい料理が食べたいという気持ちだけは同じだと思い、落ち着いて席に座っていました。

※香りを楽しむ料理が多いので、香水のつけすぎなどには注意が必要です。

※漆器は高価な物ばかりですので、傷をつける可能性がある指輪や付け爪などは遠慮した方がいいかもしれません。

【円山公園内・未在までのアクセス】

未在は円山公園の東に位置します。ここからは、円山公園の真ん中にある「ひょうたん池」から未在までのアクセスをご紹介します。

ひょうたん池は、円山公園の真ん中にあり自身の位置を確認することができます。

ひょうたん池の橋は東西に架かっています。橋を渡って川沿いに歩くと未在のある東に進むことになります。

ひょうたん池の橋を東に渡り、漫ろ歩いていると坂本龍馬と中岡慎太郎の銅像があります。

銅像からさらに東に行くと地下水の滝があります。

右側の階段を上がっていきながら見上げると右手に未在さんが目に入ります。

少しわかりにくいですが長楽寺の手前にあります。

【入店・待合室・店内】

未在さんでは18時よりお客さん全員同時に料理の提供が始まる為、15分前の17時45分までに入店することになります。(開店は17時半ごろ)

お弟子さんたちから「おいでやす!」と声をかけられ入店。

待合室

こちらの待合室で食前酒の梅酒が提供されます。こちらまでは撮影可能です。

席は軽く座り心地の良い椅子にやや低めのカウンターのみ。(13席でしたが、14席に増席されています)

お客さんが席に着くと、店主の石原氏がひとりひとりに声をかけていかれます。

【献立・作法】

季節などにより料理内容は変わります。より良い食材を求め、料理も次々創作されていらっしゃるようです。これから私が実際に食事をした料理内容は、ご参考程度にしていただけますと幸いです。

未在の食前酒「梅酒」。

【向附】

水無月豆腐 旨出汁ジュレがけ

【猪口】

山椒の焚いたん

【汁】

新ゴボウもち

【飯】

炊きたてのご飯は石原氏ご出身の島根県、仁多米を使用。ごぼうと山椒のつみれ汁を少しずつ食べていきます。一つの料理だけを一気に食べてその皿だけを空けてしまうのは”片付け食い”といい無作法とされているのですが、少しずつじっくり味わうことにより日本食の素晴らしさが舌に伝わってきます。食べ終わり箸を置くと伏見純米大吟醸未在が出てきて、最後に向附を食べます。

料理の内容や食べ方も石原氏が丁寧に説明して下さります。初めに温かい物を食べることによりお腹の調子を整えてから、冷たい物を食べるという作法は体の事も考えられているんですね。

向附を食べ終わると、「行事的な物はここまでです。」との石原氏の一言で、気が楽になります。

飲み物は折角なので伏見純米大吟醸未在の白泉にしました。

伏見は以前”伏水”と呼ばれていたこともあるほど全国屈指の名水が湧き出る地で、酒蔵の町として知られています。フルーティーでとても飲みやすいお酒で、お猪口は石原氏が数種類お盆に載せ、その中から選ばせて下さいます。食器は魯山人の作品もありますが、日本国内に留まらずヨーロッパ諸国など海外にも目を向けられています。私はイギリスの骨董でもいただきましたが、和と共通している面もあり楽しめました。

【造里】

鯛、鱧、鮪、アオリイカ」。

陶器とガラスの器に氷が敷き詰められた上に鯛、韓国産鱧(ちり酢・梅肉)、鮪、アオリイカが上品に盛り付けられてきます。

鯛の肝だれ、昆布と醤油の煮こごり、山葵、塩だれにつけて食べるのですが、特に塩だれが美味しく、まるでキレイな甘味のある海水につけるような感覚で、醤油で食べるより食材の美味しさが舌に伝わってきました。

韓国産の鱧は最高級で、とろけるような食感。ちり酢と梅肉と相性良く、美味しくいただきました。

料理を食べるときは集中してじっくり味わってほしいという石原氏の気持ちがあり、写真撮影は周囲への配慮で断られているだけでなく、「撮ると安心して記憶に残らないものです。食べることに集中することで舌で記憶に残して欲しいのです。」とお言葉をいただきました。

食事中も石原氏はすべてのお客さんと会話を交わしながら、どのような人物か見ています。凄い洞察力です。

【椀】

鮎豆腐と生のよもぎ麺」。

とろけるような食感の鮎豆腐。香りのよいよもぎ麺はのど越しも爽やかな逸品。

【焼物】

奥出雲黒毛和牛の炙り」。

あっさりとしたお肉は厚みがあるのに柔らかく、赤ワインを飲まれているお客さんもいらっしゃいました。お肉に自分でかける実山椒のソースはピリリとした辛さの中に甘味があって、お肉のうまみを引き上げていました。

【箸休め】

スナップエンドウのすり流し」。

私の好きな紫陽花の器の中に車海老と帆立がたっぷり。

「ここからお酒が飲みたくなるような料理をお出しします。お飲みものは大丈夫ですか?」と石原氏から声をかけていただき、未在を追加しました。

【八寸】

鮎揚げ焼き、柿の葉寿司、山桃、小肌、丸十、鴨ロース、鮎テリーヌ、鯛の白子、丸干大根の焚いたん、本バイ貝と穴子の煮こごり」。

縁起の良い茅の輪くぐりがあり、手前の鮎揚げ焼きを輪に通して口に運びます。見た目も華やかで写真が撮れるならメインにしたいほど美しい料理です。どれもこの上ない美味しさなのですが、鮎のテリーヌは濃厚で酒と好相性。

【焚合せ】

加茂茄子の田楽」。

加茂の有機茄子を使った田楽は自然のあまみたっぷり。

【強肴】

強肴(しいざかな)は、「鮑ととり貝、鱒の酢の物」。

蒸した鮑、とり貝に濃厚な肝のソース。あっさりとした鱒の酢の物とは対照的な味でどちらも引き上げあい相乗効果のある強肴。

【食事】

香物と焦がし湯」。

おこげのお出汁が入った器を4人ごとに1つ手渡され、1人ずつご飯に出汁をかけて隣の人に器を渡して回していきます。

香ばしいおこげはやみつきになりそうで、石原氏から「ご飯おかわりされますか?」と訊かれましたが、この後のデザートを十分に楽しむ為にもここは控えめにしました。

【菓子】

青竹流しの水羊羹」。

さっぱりとした柑橘の風味で、甘さひかえめの水ようかん。す~っととろけるような上品な味でした。

【抹茶】

お抹茶」。

いよいよ抹茶です。石原氏が目の前で点てます。これまで食べてきた料理はすべてこのお茶を美味しく飲むために出されてきたもの。素晴らしいストーリーのクライマックスで、1人ずつ丁寧にお茶を点てる石原氏がとてもかっこいいです。石原氏からお弟子さんに手渡され、一礼して出されます。鮮やかな緑で、まろやかでうまみのある抹茶は深みがあり、じっくりと味わいました。

【果物】

げんこうのゼリー」。

宮崎マンゴーのスパークリングワイン ロゼのジュレがけ」。

元寇は佐賀県北部の玄界灘に浮かぶ馬渡島でしか取れない幻の果実。柑橘類でフレッシュな香りとほんのり酸味がきいたゼリーにマンゴーの甘みが加わり、スパークリングワインのジュレで一層口の中で爽やかな香りが広がる。お酒と合うデザートです。

31種類のフルーツを使ったフルーツ寄せ」。

花火で最後一気に打ち上げする感覚の〆のデザート。31種類ものフルーツを使用。豪華で口の中でいっきに色々な味が混ざり合い、ひとくちひとくち味が変化する。

【大吟醸未在の新酒のシャーベット】

アンコール的な存在で、食べれるか確認して下さいます。まだ食べることができれば是非注文して下さい。

大吟醸未在の酒粕は濃厚でいて甘みがあり、深い深い味わい。これが最後の一品なんだと、余韻に浸りながら食べました。

結構なボリュームですので、石原氏は途中、「残していただいても結構ですよ」と優しく声をかけて下さいます。

でも私はすべて残さず食べきりました。

これだけの量でも飽きないぐらい、一品一品味が違い最後まで楽しめました。

石原氏から「本当に食べることがお好きなんですね。」とお言葉を頂戴しました。

【食後】

食事が終わったときは21時前になっていました。みなさん奥でお勘定して帰られます。私も支払を済ませ帰ろうとしたら石原氏から名刺をいただきました。

私は食事中は遠慮して言葉は少な目にしていたのですが、最後にいろいろお話を聞かせていただきました。

勉強になるお話しばかりで、いつの間にか石原先生とお喚びしていました。

最後に「一生の思い出になります。ありがとうございます。」と正直な気持ちを伝え外に出ました。

そしたらカウンターの中から石原先生が出てきて、お店の外まで一緒に歩き深くお辞儀してから見送って下さいました。

普通の人なら頂点までいったら人に頭を下げるのは嫌になるという話を聞きますが、敢えて第一線で人に頭を下げて仕事をされている石原先生を見ていると、まだまだ自分が未熟であることを思い知らされます。

もう21時前になっており外は暗く、お弟子さんが提灯で足下を照らして階段を誘導して下さいました。

現在はお弟子さん6人いらっしゃるようですが、みなさん本当に感じが良く見えなくなるまで見送って下さいました。

この人数であれだけの料理をスムーズに提供する為にお客さん全員同時スタートにし、色々工夫されているんですね。

私ははじめにこんな贅沢な食事は生涯1度だけにしようと思っていましたが、また行きたい石原先生にお会いしたい。そのような気持ちになっています。次回はいつのことになるかわかりませんが、和服で行きたいと思います。

未在さんにこれから行かれる方に、少しでもお役に立てる情報になれたら幸いです。

【未在 基本情報】

住所京都府京都市東山区八坂鳥居前東入ル円山町613 円山公園内
電話番号075-551-3310 (※予約電話は営業時間外が好ましい)
営業時間17:30~(17時45分迄に入店)18時開始、21時頃終了
HP未在 公式ホームページ
※情報は変更になる場合がございますので、ホームページ等でご確認下さい。

【地図】

【まとめ】

コース料金は飲み物別で1人50,000円です。30,000円、35,000円、50,000円と値上げされています。理由としては、材料の高騰も原因ですが、それ以上にお客様に喜んでいただこうと、より良い食材を追求していっている為とのことです。

ご覧いただきましたように、未在さんの料理は品数も豊富ですので、美味しく全部食べるために昼食はなるべく早めで消化の良い物を選び、軽く済ませておくことをオススメします。

最後までご覧いただきありがとうございます。下記にも関連情報がございますので、ご覧ください。

未在懐石・会席料理 / 東山駅蹴上駅祇園四条駅
夜総合点★★★★★ 5.0

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