淡路島に鎮座する伊弉諾神宮。日本列島と神を誕生させた伊弉諾尊、伊弉冉尊を御祭神とする日本遺産認定の官幣大社です。天然記念物の夫婦楠も有名で、カップルやご夫婦などで参拝される方も多い神社ですので、見どころを順番にご紹介していきましょう。
【伊弉諾神宮について】
兵庫県淡路市多賀にある神社で、淡路国一宮で、旧社格は官幣大社。伊弉諾大神の神宅跡、神陵に建てられた、日本国のはじまり、神のはじまりを体感できる神社です。
【御祭神・御神徳】
御祭神は、日本神話で国生み、神生みに登場する伊弉諾尊、伊弉冉尊の2柱となっています。御神徳は、国家鎮守をはじめ延命長寿、夫婦円満、縁結びなど。ご夫婦をはじめ様々な方が参拝されている神社です。
【国生み伝承】
古事記、日本書紀に登場する伊弉諾(男神)、伊弉冉(女神)を祀る神社。二神が夫婦の契りを結び、国生みの儀式を行い、最初に誕生したのが淡路島で、続いて四国、隠岐、九州、壱岐、対馬、佐渡、本州という順番で生まれ、日本列島が出来上がったとされています。次に神を生み、御子神の天照皇大御神に国家統治の権限を委ね、淡路島の多賀「幽宮」を構えて余生を過ごされた神宅の旧跡に鎮座されています。
では、ここから日本国、神のはじまりを体感すべく見どころをご紹介していきましょう。
【大鳥居】
神明型鳥居としては全国的にも稀にみる大きさ。阪神淡路大震災で倒壊しましたが、再建されています。
【さざれ石の碑】
熊本県鹿本郡産のさざれ石に、敬神生活の綱領碑を据え、国歌「君が代」が刻まれた記念碑。
【陽の道しるべ】
日之少宮とも称されている伊弉諾神宮を中心に、太陽の運行を表現した建造物。
同緯度に伊勢神宮(内宮)、夏至の日没は出雲大社、冬至の日没は高千穂神社などへ。太陽が道しるべとなる、ロマン感じるモニュメント。
【神池と放生庵】
神池と放生庵。
放生の池とも呼ばれ、生命を司る神に鯉と亀を放たれています。
【正門】
左右に随神を安置する三棟造の随神門でしたが、1883年に再建された際に四脚門に改められたようです。
【手水舎】
豊臣秀吉公が大阪築城の際に集めた石材の一つ。移送の際に海底に沈んでいたものを幕末期に氏子が奉納し手水鉢となったようです。
【拝殿】
1882年に再建された拝殿は、舞殿を兼ねた重厚な入母屋造となっています。
奥の本殿は、伊弉諾大神の幽宮の跡の神陵地とされています。明治初年の造営によって神陵部が整地、再建された本殿が墳丘上に移築。2006年に保存修理が完成し、遷座祭が厳かに斎行されたようです。
【左右神社】
伊弉諾尊と伊弉冉尊により、三番目、四番目に誕生された神を祀る神社です。
左目より出現された天照皇大神と、右目より出現された月読尊を祀る左右神社。
本殿の東、伊勢神宮の方位に鎮座し、眼病治癒の祈願所となっています。
【住吉神社・鹿島神社】
営農守護及び、武運長久のご神徳を仰いで祀られている住吉神社、鹿島神社。
田植祭には神事があるとされています。鹿島神社の御祭神、武甕槌大神は神鹿に乗り東へ。茨城県の鹿島神宮では主祭神となり、枚岡神社、春日大社でも武甕槌大神が祀られています。また、神の使いとされる奈良の鹿は、文化財保護法により手厚く保護されています。
【神輿庫】
六角鳳輦型の豪華な神輿を格納している神輿庫。
4月22日の例祭には、摂社濱神社の御旅所に神幸するとされています。
【頭髪感謝碑】
頭髪に感謝し、育毛や発毛を祈願すると共に理容・美容業の発展を祈って建立。
【岩楠神社・夫婦大楠】
天然記念物の夫婦大楠、岩楠神社です。
根元に祀られている岩楠神社の御祭神は、伊弉諾尊と伊弉冉尊により最初に生まれた神です。
蛭のように体が柔らかかったことから「蛭子」と名付けられました。
体が不自由だった蛭子は海に流され西宮へ。
後に蛭子は七福神に加わり「えびす」と呼ばれるように。右手に釣竿を持ち、左わきに鯛を抱える姿で笑顔が印象的な神となり、漁業の神、商売の神、そして不自由な体より復活を遂げたことから、リハビリの祖としても崇められています。
夫婦クスは、子宝、夫婦円満、長寿の信仰がある御神木で、県指定の天然記念物となっています。
樹齢約900年。2株あった巨木が合体して1株に成長した珍樹。
【皇大神宮遥拝所】
北緯34°27’23’の同緯度上にあり、この真東に伊勢の皇大神宮が鎮座。両宮の中央に飛鳥藤原京があり、皇大神宮の祭事にあわせて、遥拝式が行われる場所となっています。
【根神社・竈神社】
根神社、竈神社は、酒造安全、防災の守護神として崇敬されています。
除災、火防の信仰が篤い神社。
【祈禱受付所】
祈祷受付所は拝殿の向かいにあります。受付は9時~16時で、初穂料は8,000円・10,000円。
祈祷の所要時間は30~40分。事前予約の他、当日も混み具合により対応くださるようです。
お守りは「夫婦御守」、「縁結御守」をはじめ、伊弉諾尊が黄泉の国から帰る際、追っ手に桃の実を投げ、難を逃れたことに由来する「厄除け・桃の実御守」。安産、平癒、健康、学業などが並んでいます。
【伊弉諾神宮 基本情報】
住所 | 兵庫県淡路市多賀740 |
伊弉諾神宮 電話番号 | 0799-80-5001 |
お土産処 せきれいの里 (伊弉諾神宮 境内) | 0799-70-1010 |
【地図】
【まとめ】
国生み、神生み伝承による日本の歴史や神々について触れることのできる伊弉諾神宮。天然記念物の夫婦楠、左右神社、祈祷受付所などの他、アクセス、駐車場などについてご紹介いたしました。最後までご覧いただきありがとうございます。下記に周辺スポットや関連情報を掲載しておりますので、ご参考いただけますと幸いです。